埼玉県春日部市にある「地下神殿」を知っていますか?
テレビなどで話題になったのでご存知の方も多いかもしれません。
その正体は治水事業で作られた、地下の巨大な調整池です。
予約制で見学ができますので、ぜひ一度そのスケールを体感してください!
首都圏外郭放水路とは?
埼玉県春日部市(旧庄和町)にある、世界最大級の地下放水路です。
公式愛称は【彩龍の川(さいりゅうのかわ)】ですが、「地下神殿」の名称の方が有名かもしれませんね。
中川・倉松川・18号水路・幸松川・大落古利根川といった中小河川が流れるこの地域は、土地が低く水が溜まりやすい地形。
さらに、それぞれの川は勾配が緩やかで海まで流れにくく、大雨が降ると水位が下がりにくいのです。
このような状況から洪水が起きやすいこの地域の治水対策として、2006年(平成18年)6月に完成しました。
「地下神殿」と呼ばれる理由
首都圏外郭放水路には、第1~第5までの立坑とそれぞれをつなぐ水路、それらを集める調圧水槽があります。
調圧水槽には高さ18m・重量500tの巨大な柱59本があり、想像を絶する水圧に耐えられる設備になっています。
この柱が並ぶ様子が神殿のようだと話題になり、「地下神殿」と呼ばれるようになりました。
実際に調圧水槽内に入ると、静かな空間に整然と柱が並ぶ様子は確かに厳かな雰囲気で、「地下神殿」と呼ぶにふさわしい場所でした。
地下神殿の見学には予約が必要
地下神殿を含めた首都圏外郭放水路の見学は、一時新型コロナウイルスの影響で中止していましたが、現在は再開されています。
前日までの完全予約制なので、電話もしくはwebから予約しましょう。
電話の場合は9:00〜16:30、webは24時間受け付けています。
なお、料金はいずれの申し込み方法でも当日現金支払いとなっています。(webでのクレジットカード決済は2022年4月現在利用不可)
予約サイト→https://gaikaku.jp/course/
予約受付電話→048-747-0281
地下神殿の見学は誰でもできる?
地下神殿は管理用設備を利用して見学する性質上、小学生未満の子ども・自力で階段の昇り降りができない人は参加できません。
調圧水槽へは約100段の階段のみでエレベーター等はなく、幅も狭いため手をつなぐことも禁止事項になっています。
ちなみに見学の際は、ハイヒールなどの歩きにくい靴は危険なのでやめましょう。
地下神殿の見学コースに種類はある?
首都圏外郭放水路の見学コースには4種類あります。
①インペラ探検コース(110分)【定員20名】:4,000円
見学リクエスト第1位、調圧水槽最奥部にある巨大なインペラ(羽根車)をヘッドライト付きヘルメットなどの特別装備で見学できるコース。
②立坑体験コース(110分)【定員20名】:3,000円
作業用通路を使って、第一立坑の途中まで降りることができる迫力満席のコース。
③ポンプ堪能コース(100分)【定員20名】:2,500円
ポンプの模型説明と、ここでしか見られないガスタービン部を含めたポンプ室見学ができるコース。
④地下神殿コース(55分)【定員50名】:1,000円
地下神殿と呼ばれる調圧水槽のみの見学コース。
それぞれのコースの詳細はこちらのページをご覧ください。
初めて見学する場合は④の地下神殿コースが時間的にも金額的にもおすすめですよ。
地下神殿へのアクセス
首都圏外郭放水路は、国道16号の地下にあります。
見学の際は「龍Q館」という展示施設で受付を行うため、こちらの施設を目指してください。
東北自動車道の岩槻ICや圏央道の幸手IC・五霞(ごか)IC、常磐自動車道の柏ICが最寄となります。
圏央道 幸手IC及び五霞ICから約30分(約15キロメートル)
江戸川河川事務所HPより
東北自動車道 岩槻ICから国道16号を野田方面に約30分(約17キロメートル)
常磐自動車道 柏ICから国道16号を野田方面に約40分(約20キロメートル)
岩槻ICから向かう場合、国道16号線を千葉県野田市方面に進んでください。
それほど渋滞もなく、30分程度で到着しますよ。
庄和総合公園付近には「龍Q館」の標識も出ています。
旧庄和町の名物「大凧」の飾られている交差点で公園方面に曲がり、ローソンを過ぎたら右折します。
案内の看板もありますので、案内に従って進みましょう。(基本的にほぼ道なりです)
のどかな道ですが、対面通行ですし舗装もしっかりされているので安心してくださいね。
無料見学施設「龍Q館」は上階も必見
見学の受付場所である龍Q館ですが、2Fや3Fには一帯の地層や治水の仕組みについての展示があります。
見学は無料ですが、新型コロナウィルス感染症対策のため、施設見学に参加していない場合は代表者の連絡先を記載する手続きが必要です。
最上階には、首都圏外郭放水路のしくみが実際に水の動きで見えるジオラマや、排水ポンプの縮小模型があります。係員が動かしてくれるので、ぜひ見学してみてくださいね。
地下神殿に行くなら早めの予約を!
まず、行こうと思ったら早めに予約しましょう!
予約はネットでもできるのですが、週末はツアーも満席が多いので一週間前だとギリギリという印象です。
地下神殿コースは各回50名と受け入れ人数も多いので比較的取りやすいですが、その他のコースは定員が20名と狭き門。1ヶ月前から予約が開始されるので、夏休みなどの人気期間は特に早めのチェックがおすすめです。
迫力満点の首都圏外郭放水路、ぜひ一度見学してみてくださいね!
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